第121回読書交流会のお知らせ | 課題本:『82年生まれ、キム・ジヨン 』著:チョ・ナムジュ 訳: 斎藤 真理子

2022年03月01日

読書はひとりでするもの?確かにそうかもしれません。
でも思ったこと、感じたこと誰かと共有してみませんか?
自分だけでは気付かなかった発見ができるかもしれませんよ。

ということで、ここ長野県上田市にて月に一度読書会を開催しています。課題本をあらかじめ読んできて、当日みんなで感想を語り合います。一冊の本をきっかけにコミュニケーションが広がっていく不思議な感覚を経験してみませんか?

読書会と言っても、食事をしながら、お酒を飲みながらの気楽な会です。
(というのが本来の姿なのですが、最近はコロナ禍のためリモート読書会が続いています・・・)

ゆるすぎて「これでいいのか?」と毎回自問自答するくらい(笑)
でもこのスタイルは崩しません!

なぜって?私がお酒が好きだからです!(笑)

「思いっきり楽しく、そこそこマジメに!」
「来るものは拒まず、去る者は追わず!」
「出たい時だけ出ればいい!」
がこの会のモットーですので、あまり堅く考えずに気楽な気持ちでご参加ください(^^)

さて、今月の課題本は、『82年生まれ、キム・ジヨン 』


著者:チョ・ナムジュ
翻訳: 斎藤 真理子
出版社 :筑摩書房 (2018/12/7)
発売日 : 2018/12/7
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー):192ページ

です!
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◆第121回読書交流会詳細◆

○日時   :2022年 3月18日(金曜日)19時より開催
○形式   :ZOOMによるリモート読書会
○参加要件 :事前に課題本を一通り読んできてくださいね。
○会費   :無料(リアル開催となった場合は飲食代を按分)
○受付期限 :2022年 3月16日(水曜日)

※リモート読書会なのでご自宅から参加できます。
参加ご希望の方は返信フォームから、または私に直接ご連絡ください。
ZOOMへのリンクをご連絡させていただきます。

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◆課題本に関して◆

この読書会では、メンバーの方(私も含め)に交代で、課題本を
選んできてもらうという形をとっています。

その際、特にどのジャンルの物を、という決まりはありません。

ですので、様々なジャンルの本が課題本となります。
良く言えば多様、悪く言えば適当(^^)

でも、その多様な選書ゆえに、普段の自分なら、絶対に読んでみる
ことはなかったであろう物も、半ば強制的に読むことになります(笑)

その中から新しい気づきや、発見が生まれること、あるかもしれません。


by なんちゃって読書人





posted by なんちゃって読書人 at 18:35 | Comment(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クリーニング革命 〜すべては喜ばれるために〜 | 著:古田 武

2022年02月23日



『クリーニング革命 〜すべては喜ばれるために〜』

著者 :古田 武
出版社 ‏ : ‎ アスペクト (2012/1/1)
発売日 ‏ : ‎ 2012/1/1
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 218ページ

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■内容(「BOOK」データベースより)

幅5ミリ、350本もの高級ブランドのスカーフのプリーツを復元、シミの落ちないネクタイは一度ほどいて洗い縫い直す、高級プレタポルテからオートクチュールまで数々の高級ブランドから絶大な信頼を受ける店がある。

クリーニング店らしからぬクリーニング店、それがレジュイール。

働く全ての人に贈る、仕事をするということの真髄。

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■つぶやき

「クリーニング屋」と聞くと、一般的にはどんなイメージが思い浮かぶでしょうか?

衣類などを毎日洗って、乾かして、アイロンをかけ、たたむの繰り返しの単純作業と思う人もいるかもしれません。
薄利多売の商売という認識の人もいるでしょう。

そこまでは言い過ぎだとしても創造的な職業だと思っている人はあまり多くはないと思います。

そういう意味でいうと、著者が営むクリーニング屋「レイジュール」はクリーニング屋ではないのかもしれません。
なにせ店のモットーは「遅い・高い・うまい」なのですから。

著者自身が自らの店を「服のお医者さん」と称して憚らない。
そこからも、世のクリーニング屋の常識を大きく逸脱しているのは容易に想像できます。

著者は、本当に生きていくのがやっとだった、極貧幼少期を経て、クリーニング屋に勤めることになります。

厳しい労働環境に耐え続ける日々の中で、あまりに理不尽な言いがかりに憤慨し、店を辞めてしいますが、それを期にクリーニングの本質を考え始めます。

その頃の日本のクリーニング業界は、世間にまだよく知られていないことをいいことに、様々な悪弊が横行していました。
そんな悪しき慣習に立ち向かい、ただただ「お客様に喜んでいただく」ために、様々な試みにチャレンジしていきます。

世の中の常識をひっくり返すのには様々な障壁、圧力がかかってきます。
棘の道ではありましたが、著者はその熱意と行動力で道を切り拓いていきます。

そしてついに、自らの店『レジュイール』を持つことに。

『レジュイール』はクリーニング屋の常識を覆し、服のお医者さん″として次第に世間に認知されていきます。

誰もが思う不可能を可能にする。題名にある通り、まさに革命です。

もしかしたら、今の世の中で著者のような考え方は時代錯誤なのかもしれません。
しかし、人間の本質とは今も昔もそんなに変わらないと私は思います。
本書は著者の生き方を通して、私たちに働くことを前向きに楽しめるヒントを与えてくれるでしょう。


by なんちゃって読書人



posted by なんちゃって読書人 at 10:08 | Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

少年と犬 | 著:馳 星周

2022年02月21日



『少年と犬』

著者 :馳 星周
出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2020/5/15)
発売日 ‏ : ‎ 2020/5/15
言語 ‏ : ‎ 日本語

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■内容(「BOOK」データベースより)

家族のために犯罪に手を染めた男。

拾った犬は男の守り神になった―男と犬。

仲間割れを起こした窃盗団の男は、守り神の犬を連れて故国を目指す―泥棒と犬。

壊れかけた夫婦は、その犬をそれぞれ別の名前で呼んでいた―夫婦と犬。

体を売って男に貢ぐ女。どん底の人生で女に温もりを与えたのは犬だった―娼婦と犬。

老猟師の死期を知っていたかのように、その犬はやってきた―老人と犬。

震災のショックで心を閉ざした少年は、その犬を見て微笑んだ―少年と犬。

犬を愛する人に贈る感涙作。

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■つぶやき

本書は第163回の直木賞受賞作品です。

どんな話か?題名の通り、犬の話です。
連続短編集ですが、「少年と犬」は最終章で登場します。
「オール讀物」に出誌されたのは、この少年と犬が一番最初で、他の章のものは順次書かれたようです。

東日本大震災で最愛の飼い主を失った、シェパードと和犬の雑種である多聞。
亡くなった飼い主を思い出の場所である公園で待ち続けますが、もう帰ってこないことを受入れ、多聞は何かに引き付けられるようにして南に向かい始めます。

仙台から南に向かう途中、多聞は5人の人物たちと時間を共にします。
登場人物たちはそれぞれ複雑な過去を持ち、程度の差はありますが、現状に溺れそうになっています。

多聞は、彼らに寄り添い、それぞれの人生を見届けます。
そして、多聞は熊本にたどり着き、一人の少年を見つけ出します。
その先は、ぜひご自分で読んでみてください。

多聞が出会う人たちは、程度の差こそあれ、各々が罪を犯していると自覚しています。
そこへ多聞が現れるのですが、登場人物たちはそれぞれの人生を、悔い改めたい罪を多聞に告白していきます。
もうそれは、神への懺悔のようでもあります。

著者は、登場人物たちに更生・再出発の道を用意することはありません。
それぞれに寄り添うのみです。ただ、だからといって本書は勧善懲悪の物語というわけではありません。
どうにもならない環境に飲み込まれ、それでも生きていかねばならない、たとえ誰かを傷つけたとしても・・・
そんな救いようのない状態は俯瞰してみれば、現代社会そのものかもしれません。

誰もが多聞という救いを、何も言わず寄り添ってくれる存在を求めている。

犬は昔から人間と共に生きてきました。
学術誌「サイエンス」に掲載された研究論文では、犬は人間と一番古くからのつきあいの動物かもしれないことがDNA研究で明らかになったそうです。
長らく共に生きてきたため、イヌ科の遺伝子の一部はヒトの遺伝子パターンに類似しきているそうです。

著者は登場人物を多聞を救うことはしない。
しかし、遺伝子レベルで人間との親和性がある犬いう存在を介して僅かばかりの救いと癒しを与えるのみです。
なんだか、現代社会の闇を見せられているように感じました。

でも、本書はどうにもならない絶望感に溢れているわけではなく、多聞と一緒に過ごした短い時間のおかげで、彼らは自らの境遇を受入れることができました。
人生の最後を他人事の人生ではなく、確かに自分自身の人生として終えることができた。
それは自分が確かにこの世界に存在していた、という証だと思います。

周囲の環境に流され、こんなはずではなかった、やり直したいと思っている人は多いでしょう。
でも多かれ少なかれその状況に居続けるのは、自分自身が望んでいるからと考えることもできます。
反論はあるでしょうけど、これを話始めると恐ろしく長くなってしまうので、今回はやめておきます。

どんなに壮絶な過去であれ、現状であれ、それは間違いなく自分に起こっていることであり、それを認め、改めるのは自分にしかできません。
廻りができるのは、僅かな癒しを与え、その決断と行動を見守ることだけです。
本当に個人的な感想ですが、そんなことをこの課題本から感じました。

ちなみに、「多聞天」とは、如来の道場を守り、法を聞くことが最も多いことから付けられた名前だと言われています。
まさに多聞は聞き、守るための存在だったわけですね(^-^)

あと、猫派の皆様、これまで書いてきたことは、あくまでも私の個人的の意見です。
もちろん猫も多くの癒しを与えてくれると思いますのであしからず(笑)

by なんちゃって読書人

posted by なんちゃって読書人 at 16:14 | Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第120回読書交流会開催報告

2022年02月20日

皆さんこんにちは。

本来の第三金曜日から日程がずれましたが、R4.2.19(土)ZOOMにて第120回読書会を開催しました。
参加いただいた皆さんありがとうございましたm(__)m



今回の課題本は『少年と犬』著:馳 星周
でした。

参加者の方の意見です↓

・多聞(犬の名前)が寄り添った人たちは、明らかに犯罪であるものも含め、自分自身である程度罪を認めている。著者は犬という存在を使って、判決を下していたのだろうか?

・各章の登場人物たちに更生という道は残されていなかったのだろうか?むしろ登場人物たちはそうなることを望んでいたのだろうか?

・自分は猫派なので、きっと自分では選ばなかった本だろう。でも今回、読むことができてよかった。

・人間が犬を選んだのでではなく、犬が然るべき人間を選んでいる。そう感じた。

・フィクションではあるが、どうやって躾けたら多聞のようになるのだろうと考えてしまった。

・登場人物たちは、過去にそれぞれ犬を飼っていた。犬との思い出はどれも優しい思い出としてそれぞれに刻まれている。だからこそ、登場人物たちは犬に対して好意的であり、犬という存在を通して自分を慰め、自分の行いにを受け入れているのかもしれない。

・一文が短いが、だからといって稚拙ではない。むしろその短さの中で情景を想像させ、登場人物たちの複雑な心境も感じることができる。これは相当の筆力を要する。直木賞に選ばれたも納得。

などなど。

コロナウィルス感染が未だに収まりませんので、今回もリモートでの読書会です。
なかなかリアルで集まれる日が戻ってこない状況ですが、地道に続けていこうと思います。

本の感想につきましては、本の感想のページをご覧ください。

次回第121回読書会ですが、第3金曜日の3月18日(金)となります。

次回もリモートでの開催としておきます。
状況が劇的に改善することがあれば、リアルに切り替えていくかもしれません。

よろしくお願いします。
posted by なんちゃって読書人 at 12:57 | Comment(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

風よ あらしよ|著:村山 由佳

2022年02月14日



風よあらしよ

著者:村山 由佳
出版社:集英社(2020/9/25)
言語:日本語
単行本:656ページ
寸法:13.4×4×19.4p

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■内容(「BOOK」データベースより)

服従するな。立ち上がれ。明治・大正を駆け抜けた伊藤野枝。その短くも鮮烈な生涯。

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■つぶやき

本書はは第55回吉川英治文学賞を受賞した作品で、20世紀初頭に活躍した婦人解放運動家である伊藤野枝の激動の一生を描いています。

お恥ずかしながら、本書を読むまで、僕は伊藤野枝という女性を知りませんでした・・(^^;)

本書は600ページを超える分厚い本ですし、知人に勧められなかったら、間違いなく自分では手を出さなかった本だと思います。

これは余談ですが、愛読者の方達の間では、本書は「赤い鈍器」と呼ばれているそうです。
寝ながら読んでいたら、寝落ちして真っ赤な装丁の辞書かと思うくらいの本が、顔の上に落ちてきて痛い目にあった、という被害報告が多いのでそう呼ばれるようになったそうです(笑)
実際、僕も一度落として、本の角が額に直撃してかなり痛かったです。
まあ、おかけで眠気は吹っ飛びましたけどね(笑)

でも、今回この本を読むことができて、本当によかったと思います。
当時の日本の歴史を知ることができましたし、大杉栄などの人物も知ることができ、とても勉強になりました。
そして、何より読み物としてとても面白かったし、気分が高揚しました。

女性の行動がまだまだ抑圧されていた明治・大正の時代に、自分の意志のままに躍動し、夫を変え、子供を7人も産み育てながら、同志である大杉栄と共に、自由を勝ち取るべく、世の中と戦い続けます。

当時の空気感は想像の域を出ませんが、きっと当時の女性は、自分たちが虐げられている、という感覚すらなく、
女性の権限の小ささを当たり前の事として受け入れ、疑問に思う人のほうが少数派だったのではないでしょうか。

そんな風潮の中で、強い意志と向上心、燃えたぎるようなエネルギーを持って、不条理に立ち向かう野枝という人物のバイタリティに驚かされましたし、同時に感動しました。

「無政府主義」という考え方自体には、僕は共感できません。
主義主張に共感するしないは別としても、自分が理想とする国を目指し、それに向けてひた走る姿には胸を熱くさせられました。

ふと自分自身に目を向けたとき、はたして今の自分に理想に向かってなりふり構わず突き進める信念や情熱があるだろうか?
その前に、そもそもそんなにも情熱を注ぎ込める理想が自分の中にあるのか?
知らないうちに、立ちはだかる困難に挑むことを諦めてはいないだろうか?

読書という間接的な形ですが、野枝や大杉らと熱い時間を共有した中で、自分の生き方を問われているように感じました。

明治・大正の時代と現代とでは制度も違うし、環境も違うので、野枝たちと同じように生きることは難しいとは思います。
ですが、可能性を追い求める姿勢は見習っていきたいし、改めて自分と向き合ってみようと思わせてもらいました。

アナキスト(無政府主義者)、婦人解放運動・・・などと言われると構えてしまう人もいるかもしれませんし、あの分厚さを見て尻込みをするかもしれませんが、読み始めれば話に引き込まれてしまうと思います。
個人的な感想ですが、ここ数年の中で一番と言ってもいいくらい面白い本でした。



by なんちゃって読書人
posted by なんちゃって読書人 at 19:14 | Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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